点描法とは・・・

キミコ・プラン・ドウ 松本一郎

 7月9日の夕方、以前にテレビ取材をしてくれた〈芸術はたのしっ!〉(テレビ東京系、毎週日曜日 午前八時三十分〜)のディレクターである鈴木さんから
  「今度、スーラー(ジョルジュ・スーラー 1949ー91年 フランス後期印象派の画家)の作品を取り上げるのですが、スーラーは、光りの三原色を使って絵を描いていたので、キミ子先生も三原色を使って実際の絵を描いていると聞きまして、番組のコーナーの中で〈教えて先生〉という中で、点描法の解説をしてもらえないでしょうか?」とご連絡をいただきました。

スーラの代表作「アリエールの水浴」

 キミ子方式は、三原色を使って絵を描きますが、別に点描で描いているわけではないし、キミ子さんの主観で点描法を説明しても、多分、点描法を深く研究している人がきっといるから、その人に反論をもらうようになっても困るし、どうしようか考えました。

その時に、以前、アートスクールに来ている伊藤充子さんが、スーラの絵を模写している事を思い出しました。そこで、三原色を白を使って、点描のような筆使いでスーラの絵を実際に模写をしてもらって、その制作過程を放映したらいいのではないかと答えると、「では、来週の月曜日に打ち合せしましょう」ということになって、キミ子さんが東京に滞在している予定や、伊藤さんの描かれたスーラの模写の作品をお借りする約束をして、打つ合わせの日を待ちました。打ち合せ当日、伊藤さんの模写作品2点と資料を持っての打ち合せです。

当日は、キミ子先生から点描法の説明をしてもらって、実際に伊藤さんにスーラの模写を点描で描いてもらう事になりました。テレビの取材は、時間との勝負と言う感じです。9日にお電話があって、12日に打ち合せ、撮影は16日に決まりました。打ち合せが終わってすぐに、伊藤さんのお電話して、取材の内容を伝えると「この世の思い出に、ぜひやりましょう」と引き受けて下さって、取材当日を待ちました。



スーラの模写 伊藤充子 作

当日、ディレクターの鈴木さんからキミ子さんに、番組の内容と今回の取材の主旨を説明がありました。点描法についての解説をどのようにするかという所になってキミ子さんに質問すると、キミ子さんは
  「点描法はね、テンテンテンって描くの」と一言。それを聞いて鈴木さんは「それがいい。分りやすい。それで行きましょう」と決まりました。
  2階の教室に、カメラマンと助手の方、ディレクターの鈴木さんと植田さん、キミ子さんと伊藤充子さんが集まり、壁にキミ子方式の作品を貼り、いよいよキミ子さんのインタビューから始まりました。
  以前の取材は、キミ子方式の教室風景で、10名の生徒さんにネギを描いてもらうというものでした。その時は絵を描いている流れを撮ったので撮り直しができなかったのですが、今回は何度でも撮り直しが出きるので、キミ子さんもリラックスしての撮影です。
  伊藤さんが描かれたスーラの模写を見せながら点描法の説明も無事終わり、今度は場所を変えて、伊藤さんが実際に作品を点描で模写する、その制作過程の撮影になりました。
  パレットの位置や画用紙の場所を決め、描き出してもらいました。描き始めの一点を決めて、テンテンとはき広げていきます。スーラの絵を一枚全部模写するのではなく、作品の部分だけでも完成にして、画用紙を切ろうと決めていたので、焦ることなく、となりとなりと描き続けていきます。
  それで、ある程度作品の部分というのがはっきりと分る所まで描いて、周りの余白と切り、台紙をつけて完成にしました。大役を努めた伊藤さんも、作品ができてホッと安心の笑顔と見せていました。

 
 
模写をする伊藤さん
 

 

 放映日は八月十五日(日)午前八時三十分〜九時まで、テレビ東京系(十二チャンネル)全国ネット(◎テレビ北海道 ◎テレビ東京 ◎テレビ愛知 ◎テレビ大阪 ◎テレビ瀬戸内 ◎テレビ九州)で同じ日時で放映されます。ぜひ、見て下さい。